ANU TUOMINEN
アヌ・トゥオミネン
アヌ・トゥオミネン「キッチン」
アヌ・トゥオミネンは、ヘルシンキの芸術デザイン大学、次いで芸術アカデミーにて家具デザインとメディア研究を修め、在学中の1989年より個展やグループ展にて作品を発表し始めました。2003年には視覚芸術の分野においてフィンランドで最も権威のあるArs Fennica賞のベストアーティストに選ばれ、以降彼女はフィンランド内外の美術館やアートスペースにて精力的に作品の発表を行なっています。
トゥオミネンは、我々が日常用いる身近な道具や家庭用品を、レディーメイド風に一見そのままの形で呈示しますが、しかし、良く観察すると、そこには密やかな細工が施されていることに気付きます。例えば、「にんじんピューレ」と名付けられた作品では、オレンジ色のベレー帽に開けられた切れ目にそっとスプーンが挿し込まれており、また、図鑑に描かれた蝶のイラストは、羽に沿って紙が切られ、あたかも蝶たちがページから解き放たれたかの印象を与えます。こうしたちょっとした細工は、物体をその機能的なあり方から開放し、しばしばほほ笑みやくすくす笑いを誘いながら、見る者の心に無数の小さな感嘆符や疑問符を呼び起こします。
この度の個展では、トゥオミネンのお気に入りのテーマである「台所」にまつわる作品を集め展観します。素材として用いられた漏斗や泡立て器といった台所用品は、ほとんどが蚤の市で見つけられたものです。これらのありふれた台所道具は、トゥオミネンによって仔細に観察され、解釈された後、「何か別の物」として生まれ変わりました。トゥオミネン流の魔法のレシピで変身した魅力あふれる作品の数々をどうぞお楽しみ下さい。
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会 期: 2006年10月6日 [金] 〜 25日 [水]
火 - 土 12:00-19:00 日 12:00-17:00 / 月・祝休
■ オープニングレセプション:10月6日 [金] 18:00-20:00
後 援:フィンランドセンター、Oskar Öflund Foundation
協 力:graf: decorative mode no.3 design products inc.
JP / ENG
Works
2006年、ボトル、漏斗、かぎ針編み
2006年、ボトル、漏斗、かぎ針編み
2005-2006年、かぎ針編み
2005年、エッグスタンド、かぎ針編み
2002-2006年、塩入れ、かぎ針編み
2006年、マグカップ、鉛筆
2006年、北極海で拾った石、石鹸ケース
2005年、イラストの切り抜き、鍋置き
2002年、チーズスライサー、かぎ針編み
2002年、皮むきナイフ、かぎ針編み
1998-2006年、マッシャー、イラストの切り抜き
2005年、ベレー帽、フォーク
2006年、ペン、筆、かぎ針編み
1998-2006年、絵葉書にネコヤナギの花穂のコラージュ
1998-2006年、クリスマスカードに米粒のコラージュ
1998-2006年、絵葉書に切り抜いた写真のコラージュ