カミン・ラーチャイプラサート

「Before Birth - After Death」(Sculpture)

 1990年代半ばよりタイ北部の都市チェンマイを拠点に活動を続けるカミン・ラーチャイプラサートは、芸術とは生の本質と自然の摂理、更に自己についての理解を深めるための学びの過程と捉えており、日常とアートとの融合を目指したプロセス重視型の創作活動を行なっています。本展のタイトルである'Before Birth – After Death'(生まれる前ー死後)は、2008年から2014年の6年間にわたり展開されたプロジェクトの総称で、全体として730点の日記風ドローイング、24点の大型ペインティング、陶器およびブロンズ製の彫刻各12体、それに総計1089個のプラスチック製の小さな髑髏で形成された巨大な髑髏のインスタレーションで構成されています。これらの作品は、これまでにバンコクでの展覧会等で幾度かにわたって断片的に紹介されてきましたが、今回Art-U roomでの個展では、上記のうち陶器およびブロンズ製の彫刻のシリーズを抜粋して展示致します。

 

 'Before Birth – After Death'のプロジェクトは、そのタイトルが示すように「私たちが生まれる以前、死んだ後」の状態、言い換えるなら「我々はどこから来て、何のために生き、そしてどこへ立ち去るのか」という人間存在に対する根源的な問い掛けが出発点となっています。ラーチャイプラサートは、プロジェクト期間を通して、長年実践しているヴィパサナ瞑想法による内省や他者との対話、Eメールメッセージを介した禅問答といった日常のあらゆる機会を活用して、日々の活動の中に紛れた生の真意について考察を深め、その痕跡を作品の一つ一つに託していきました。このプロジェクト全ての作品には髑髏のモチーフが取り込まれていますが、これは、〈究極的には生も死も存在しない。なぜなら変化することそのものが自然の本質であるからだ。〉とするラーチャイプラサートが至った真理を象徴的に表すものとして用いられています。

 

■ カミン・ラーチャイプラサート (Kamin Lertchaiprasert)

 1964年タイ王国ロッブリー生まれ。1987年シラパコーン大学版画科を卒業後渡米。1992年タイに帰国後、仏教哲学や瞑想法等に対する関心を深め、一日一点の作品を数年の期間にわたって日々制作し、一つのシリーズとして完結させる独自の創作スタイルを採るようになる。これまでタイ内外にて多数の個展を行なう他、ヴェニス・ビエンナーレ(2003年)、釜山ビエンナーレ(2008年)、シドニー・ビエンナーレ(2012年)他の国際展に参加。その作品は、グッゲンハイム美術館、シンガポール美術館を始め多くの美術館、コレクションに収蔵されている。ラーチャイプラサートはまた、個人的な創作活動と平行して、他者や地域社会との係わりに根ざした社会的なプロジェクトを展開しており、その代表例としては1998年よりチェンマイにてリクリット・ティラヴァニャらと共に立ち上げた実験的コミュニティ「The Land」や、2008年に金沢で行なったプロジェクトを契機とする「31st Century Museum of Contemporary Spirit」などがある。

 

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会 期:2014年10月10日 [金] 〜 11月2日 [日] 

    火 - 土 12:00-19:00 日 12:00-17:00 / 月休

■ オープニングレセプション:10月10日 [金] 17:00-20:00 

協力:ナムトン・ギャラリー

 

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KAMIN LERTCHAIPRASERT

カミン・ラーチャイプラサート

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2014年、Numthong Gallery & Art-U room刊、88ページ、25.5x25.5cm、英語/タイ語

​価格:3,500円(税込み)/ 送料350円(ゆうメール便)

カミン・ラーチャイプラサート
​Before Birth - After Death (Sculpture)

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