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英ゆう「ソラカラキタル」

 この度Art-U roomでは、英ゆうの新作絵画展「ソラカラキタル」を開催致します。

 

 京都生まれの英ゆうは、京都市立芸術大学および大学院にて絵画を学び、卒業後に訪れたタイにて運命的ともいえるモチーフ群を見出しました。仏教寺院の境内に鮮やかに咲き誇るプルメリアの花や白く輝く仏塔。カラフルな花数珠が並べられた屋台や、その傍らでけだるげに寝転ぶ犬たち。あるいは夜の繁華街で見かけた艶かしいゲイボーイたちの姿。こうした光景を目にした時、あたかも英の中である種の回路が起動し、単なる異国趣味的関心を超えた、更に深い共感が芽生えたといえるかもしれません。

 

 それ以降英は、この共感を一つ一つ確認するかのように京都とタイの間を行き来しながら、長年にわたり制作活動を積み重ねてきました。その間に描かれた絵画作品では、英がアトリエを構える京都府和束町の茶畑の風景や日本庭園の石灯籠といった日本的なモチーフとタイの日常が徐々に交感し、やがて、かつて古の人々が桃源郷として夢見たような東洋的な美意識がクロスオーバーする独特な絵画世界が形づくられていきました。そして昨年出産という体験を経て迎えた今回の展覧会では、英は再びある種の啓示を受けたかのように、新たな変化を予感しています。

 

 

 展覧会タイトルの「ソラカラキタル」は

 昨年生まれてきた我が子への思いが一つ、

 そしてもう一つは出産後、絵を描こうとしたときに

 これまで使ってきた洋顔料の色がどうしてもしっくりこなくて、

 ふと手元に置いていた顔彩の絵具を使ってみると、

 不思議なくらい易々と描けたという具合に、

 自分以外の力が働いたかのような感覚であったという意味合いを込めています。

 ずっと以前からアジアの色に意識を向けて絵を描いてきた中で、

 使っている画材に対する悩みを抱えてきましたが、

 それも自然に解けたようにも思います。

 今後のことはわかりませんが、

 今までとは違う方向に進みそうな可能性も感じています。 (英 ゆう)

 

 

 なお本展は、本年10月に京都のギャラリー揺にて開催された同名の展覧会の巡回展となり、一部内容を変更して展示を行ないます。ご高覧の程、宜しくお願い申し上げます。

 

■ 英 ゆう (Yu Hanabusa)

 1973 年京都府生まれ。1996 年京都市立芸術大学美術学部卒業、同年ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート、ファッション&テキスタイル科に交換留学。1998 年京都市立芸術大学研究科絵画専攻油画終了。2002 年東京オペラシティアートギャラリー「Project N」にて個展。2003 年「 VOCA 展」出展。2004 年より1 年間、新進芸術家海外留学制度(文化庁)によりチェンマイにて滞在制作。2007 年~2009 年シラパコーン美術大学アーティスト・イン・レジデンスにてバンコクにて滞在制作。2009 年ポーラ美術振興財団在外研修員としてバンコクに滞在。2011 年京都市芸術新人賞受賞。現在奈良市在住。
 

作家ウェブサイト:

http://mccullypon.wakwakforest.com/

 

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会 期: 2015年11月10日 [火] 〜 23日 [月・祝] 

火 - 土 12:00-19:00 日 12:00-17:00 月休 *11月16日 [月] 休廊

■ 作家在廊日:11 月22 日(日)、23 日(月・祝)

 

[ プレスリリース(PDF) ]

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